前回の記事では、アルコールをけっこうな悪者扱いしましたが、今日は名誉挽回!アーユルヴェーダの古典書に見る、アルコールの良いところについてご紹介します。
アルコールの良いところといえば、何と言っても、薬用酒として使えることでしょう!
私が師匠から聞いたところによると、アーユルヴェーダの古典には80種類とも言われるお酒が載っているようで、多くは薬用酒として使われています。(宗教的に禁じられていたため、詳細が残っていないものも多くあるのだとか)
ではなぜあんなにも体に良くない!と警告されているアルコールをわざわざ薬として使うのでしょうか?
それは…アルコールならではの特徴に秘密があります。
まず一つに、アルコールは他の食べ物などとは違って、胃を通って小腸で吸収され…という消化の過程を通らずして、薬効を行き渡らせることができます。
そしてもう一つ、お酒の性質として、“拡散させる力”があります。
消化の過程を通らなくてよいということは…例えば身体が弱って消化力が落ちている時にも使えるということ。食事やサプリメントはそれ自体がどんなに優れたものでも、消化力がないとその優れた力を発揮できません。
その点、薬効を染み込ませたお酒なら、消化力に頼ることなく、しかも消化力に負担をかけずに、そしてその拡散力をもって速やかに体内に薬を届けることが出来ます。
しかも薬効を届けるために飲む量といえば、一回10ccとか20ccですから、まず酔うということもなく、アルコールの悪い影響をほとんど受けなくて済みます。
まだまだあります。お酒の良いところ。
ただしこれから紹介するのは、どんな種類のお酒でも良いというわけではなく、『ワイン』に限った良いところです。
しかもそれは、他に数ある食べ物や薬の中で『ワインも良い』ということではなく、『ワインが一番良い』と言われるもの。
『ワインを飲むのが一番良い』というその状況とは?
一つに、ひどい疲れがある時の、疲労解消に
そして二つ目は、気分を明るく、陽気にしたいときに(つまり落ち込んでいる時)
なんと!アーユルヴェーダが疲労解消と気分を上げたいときに、一番にワインをすすめているのです!なんということでしょう。
ポリフェノールやら、クエン酸やらという情報がないあの時代から、もう身体と心に元気を取り戻したい時は、これだね、とワインが飲まれていたと思うとなんだか、昔の人たちと一杯酌み交わしたい気分になってきます。笑
というわけで、お酒にもこんな風に良いところがあるので、「お酒は飲まない方が良いでしょうか?」という質問には、私個人的には、
「飲みすぎなければOK」ということと、
種類なら「ワインをどうぞ」
という風にお答えしたいです。
ただし落ち込んだときに心を癒してくれるワインも、飲み過ぎればいつだって悪魔になれるのですから、くれぐれも、飲み過ぎにはご注意ください。